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金子 邦男*
JNC TJ9400 2000-005, 182 Pages, 2000/03
本年度は汎用超微細群スペクトル計算モジュールPEACOを高速炉セル計算コードSLAROMに組み込んだ。この改良SLAROMコードを使用する決定論手法と確率論的手法である連続エネルギーモンテカルロコードMVPにより、2次元RZ均質モデルを用いて径方向非均質炉心であるZPPR-13Aの反応率分布計算を実施した。両者の計算結果を比較検討する事によりPEACOモジュールが高精度の共鳴実効断面積機能を有すること、決定論手法とMVPコードの反応率分布計算結果を1%以内で一致させるには、鉄等の構造材核種と酸素の断面積変化を反映する高エネルギー領域を細かくした群構造を持つライブラリーを使用する必要がある事が明らかになった。また、次世代炉定数作成のため、NJOY97.V107コードを導入し、NJOY97.V107コードの前処理コードと後処理コードを作成して汎用炉定数作成システムを構築した。そして、この汎用炉定数作成システムを使用し、JENDL-3.2評価済核データを用い、70群の新JFS3ライブラリーを作成した。更に、この汎用炉定数作成システムの検証を行うため、新JFS3ライブラリーを使用し2次元RZ均質モデルによるZPPR-9炉心の核特性解析とZPPR-9炉心の非均質セル計算を決定論手法で実施した。同時に、MVPコードによる解析も実施した。両者の計算結果の比較から、PEACOモジュールによる共鳴断面積を用いる決定論手法は、ZPPR-9炉心の反応率分布およびNaボイド反応度計算精度を向上させることが明らかになった。そして、本研究で作成した新JFS3ライブラリーは、従来使用されてきたJFS3-J3.2ライブラリーと同程度の核特性計算性能を持つことが確認された。